保育ボランティア養成と家族支援講座2015「楽しさから始めるこどもの発達支援」終了しました

今年の保育ボランティア養成と家族支援講座は、作業療法士の太田篤志さんを講師に迎えて「楽しさから始めるこどもの発達支援」(2回講座)を開催しました。子育て中の方、里親さん、子育て支援に関わる専門職やボランティアの方など、熱心にご参加いただきました。感覚統合について学び、こどもと遊ぶたくさんのヒントをいただきました。

第1回「苦手なことを感覚統合で理解する」(H27年7月10日)

約80人の参加者がありました。感覚についてたくさんのお話をきいたり、ビデオを見たりして、こどもの行動に「なんでそんなことするの~!」という怒りから、「そうだよねえ、そうしちゃうよね」と共感的理解ができるようになったでしょうか。
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第2回「こどもの感覚統合をはぐくむ遊び」(H27年9月25日)

苦手なことが多いこどもは、苦手だからできない、しない、ということが多くなりがち。
感覚統合では、目の前のできないこと、苦手なことができるようになるという小さい目標ではなく、もっと長期的な大きな目標、いろんなことに関心をもって、やりたいことに満ちた頭を作っていくということを目標にしているそうです。
いろんな感覚遊びを教えてもらっているうちに、講座に参加している親世代は昔たっぷり遊んだ感覚がよみがえってきました。昔からの遊びは感覚の宝庫だったんですね。感覚ということに着目して遊びを考えることはほとんどなかったような気がしますが、遊びってからだの中に入ってくる感覚を楽しんでたんですね。
日常生活の中でできる、感覚を使う遊びがたくさんあるなあ、と思いました。座布団や押し入れ、新聞など身近なものも使えるし、ちょっとしたおもちゃもいろいろ紹介いただいて、とっても楽しい講座でした。こどもが大きくなっても、遊びや、からだのマッサージ、からだに圧を加えるタッチのしかたなど、愛着を築いていく方法がたくさんあることに納得。太田先生の本に日常生活でできる遊びが紹介されています。遊び心のある鼻の穴の鉛筆けずりや、気持ちいいディスコシット(円盤型で空気いれて座れる)はインターネットで探して買えるそうです。いろんな感覚を楽しむことを生活にとりいれて、こどももおとなも楽しめたらいいなと思いました。
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感覚統合とは?

「感覚統合」は、感覚と感情・脳とからだをつなぐ重要な機能です。 「落ち着きがない」「集団の遊びができない」「身体の動きがぎこちない」 「道具をうまく使えない」「にぎやかな場所が苦手」「走りまわる」 「くるくる回ったり、飛び跳ねたりする」など、こどもの行動や苦手さ、困り事を、「感覚統合」という見方から理解してみましょう。 「感覚統合」は、からだを動かしたり、いろんな感覚を体験する日常生活の中で発達します。こどもの感覚統合をはぐくむ遊びについて学びましょう。 「感覚統合」の視点からこどもの感じ方や行動の理由を共感的に理解して、発達をうながず遊びを楽しさから始めてみませんか。

太田篤志さん:プロフィール

発達障害のある子どもの支援に携わる作業療法士。 これまで保育園での障がい児統合保育、重症心身障がい児施設での経験をもとに、大学での教育・研究に携わってきた。現在は、株式会社アニマシオン プレイジム代表、姫路獨協大学・客員教授、遊び心サポートセンタープレイフルネス・代表として、様々な療育事業に挑戦。
著書:「イラスト版 発達障害児の楽しくできる感覚統合 - 感覚とからだの発達をうながす生活の工夫とあそび」(合同出版)
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